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ミャンマー連邦農村の母子保健向上をめざす女性保健ボランティア育成プログラムの評価
http://hdl.handle.net/10285/1390
http://hdl.handle.net/10285/1390d74b26a3-7ace-41bc-b930-7f696d6687bf
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||||||||
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公開日 | 2008-08-04 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | ミャンマー連邦農村の母子保健向上をめざす女性保健ボランティア育成プログラムの評価 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Evaluation of the development program for women health volunteers of reproductive and child health at the community level in union of Myanmar. | |||||||||||
言語 | en | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | ミャンマー連邦 | |||||||||||
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主題 | 母子保健 | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | 参加型アプローチ | |||||||||||
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主題 | lay health worker | |||||||||||
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主題 | 発展途上国 | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | 国際保健 | |||||||||||
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主題 | 人材育成 | |||||||||||
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主題 | 横断調査 | |||||||||||
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主題 | プログラム評価 | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ | thesis | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
著者 |
小黒, 道子
× 小黒, 道子
× Koguro, Michiko
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抄録 | ||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||
内容記述 | Ⅰ.序論: 1.研究の背景: : 今日、世界における妊産婦死亡は年間50万人を超え、その犠牲者の多くは発展途上国(以下、途上国とする)に生きる女性である。近年は当事者や地域社会を主体と捉え、途上国の女性を組織化し、女性自身が問題を話し合い解決を図る参加型アプローチの有効性が報告されている。: 研究者は、2003年4月から2004年8月まで、国際医療NGOの母子保健専門家としてミャンマー連邦(以下、ミャンマーとする)に派遣され、2003年9月より試験的にマンダレー管区メティーラ市の2つの農村において、地域母子保健向上を目指す女性保健ボランティア育成プログラム(以下、プログラムとする)の開発に携わった。プログラムは、用件を満たした女性から成るヘルス・ボランティア・グループ(Women’s Health Voluntary Group、以下WVGとする)を参加型アプローチで育成する、地域母子保健の向上を目的とした住民組織化の過程を指す。: プログラムは2003年9月から2008年3月をⅠ期(創設期)、Ⅱ期(維持・継続期)、Ⅲ期(自立期)に分類し、4年半でWVGが自立した活動を行うことを目標とした。: WVGとの対話により明らかとなった学習意欲・準備状態を考慮したプログラム運営により、WVGは徐々に言動が変化し、エンパワーされた様相が認められた。活動項目は、1)経済的に受胎調節が行なえない女性を対象に無利子で資金を貸与する「家族計画基金」の運営、2)妊婦や乳幼児の母親に対する健診や予防接種の必要性の説明および受診への付き添い、3)周産期の異常症状の早期発見・対処、4)負傷者の応急手当て、5)住民への保健衛生教育、であった。: 2008年3月の外部者支援終了後も当事者による活動の発展的継続を目指すには、プログラムの評価を行う必要がある。: : 2.研究目的: : ミャンマー農村部における妊産婦の保健環境の改善を目指す女性保健ボランティア育成プログラムを評価する。これによりミャンマー農村部におけるLay expert活用による健康生成方略への具体的提言を行なう。: 3.研究目標: 1)ミャンマー農村部における女性保健ボランティア育成プログラムの成果として住民女性の保健に関する知識および意識を明らかにする。: 2)ミャンマー農村部における女性保健ボランティア育成プログラムの成果としてWVGの変化を記述する。: 3)ミャンマー農村部における女性保健ボランティア育成プログラムの成果としてWVGの活動に対する住民の満足を明らかにする。: 4.概念枠組み: 本研究の概念枠組みは、Rush& Ogborneのプログラムの論理モデルを参考に作成された。プログラムの開発(Input)によりWVGが組織化(Output)され、外部者支援を受けたWVGがサービスを住民に提供した(Process)結果、①住民女性の保健に関する知識および意識が改善し、②WVGもプログラムがもたらした経験により変化する、それと同時に③住民もサービスに満足する(以上、①~③がOutcome)、と考え、本プログラムの評価とした。: : Ⅱ.研究方法: 1.研究デザイン: 横断型のプログラム評価研究デザインを用いた。: 2.データ収集方法: 1)住民女性の保健に関する知識・意識: (1)研究対象: 対象は無作為標本抽出とし、プログラム介入村及びコントロール村に居住する15~49: 歳で5歳以下の子どもを持つ女性のうち条件(ミャンマー語での会話が不自由でない、重篤な精神疾患を持たない)を満たすものとした。標本数の算定は変数×10とし、変数をWVGの活動項目(家族計画、妊婦健診及び妊娠中の予防接種促進、周産期の異常、負傷時の応急手当、保健衛生教育)として5と考え、1ヶ村50人の合計4ヶ村で200名とした。: (2)データ収集方法及び内容: データ収集方法は質問紙を用いた構成的面接調査で、WVGが提供したサービスに関する住民の知識・意識を問う内容とした。測定用具は、女性と子どもの状況をモニタリングするために開発されたUNICEFの重要指標クラスター調査に基づき、本研究の目的に合致した計102項目(対象の背景31、家族計画10、妊婦健診及び妊娠中の予防接種16、周産期の異常9、負傷時の応急手当3、保健衛生教育33)の質問票を作成した。質問項目の内容妥当性は、国際保健活動の経験がある看護学修士号以上の学位を持つ助産学研究者2名と検討し、同意が得られた項目を採用した。: (3)データ収集場所: 場所は、ミャンマー・マンダレー管区メティーラ市ニャウンザ村及びチャオプー村と、コントロール村として社会経済状況の類似したI村及びS村の合計4か村で行った。: (4)研究手順: 研究手順は、集落図に基づき研究対象者の標本抽出台帳を作成し、乱数表を用いて無作為抽出した。研究協力者が該当者の自宅を訪問し趣旨を説明後、参加の同意を得たら調査日時を調整した。識字への配慮として、対面式で研究協力者が回答を記載した。: (5)データ分析: 分析にはSPSSver.15.0を使用し、基本統計量を算出した。プログラム介入村とコントロール村の比較には、Mann-WhitneyのU検定、カイ二乗検定、Fisherの正確検定を行なった。有意水準は5%未満とした。: 2)WVGの変化: (1)研究対象: 対象は、WVG、プログラム関係者(保健職員、村長)及びWVGの家族が全員、そして雪玉式に抽出されたWVGのサービスを受けた住民10名程度で、条件(ミャンマー語での会話が不自由でない、重篤な精神疾患を持たない)を満たすものとした。: (2)データ収集方法及び内容: データ収集方法はインタビューガイドを用いた半構成的面接で、プログラムによるWVG自身の変化、周囲との関係の変化、そして副次的な効果、を問う内容とした。面接はテープ録音され、逐語録が作成された。: (3)データ収集場所: 場所は、プログラム介入村であるニャウンザ村及びチャオプー村で行った。: (4)データ分析: データはKrippendorfの内容分析の方法を参考に、①逐語録を反復して読み、「プログラムによるWVGの変化」に関する各語りの内容を記録単位として抽出、②単位における意味的特性を推論し、文脈的に同義と判断できるものを文脈的表象として集積、③類似した文脈的表象を整理後説明概念を作成、④説明概念をカテゴリにまとめ、「WVGの変化」を説明した。: 3)住民の満足: (1)研究対象: 対象は、雪玉式に抽出されたWVGのサービスを受けた住民10名程度と関係者(保健職員、村長)で、条件(ミャンマー語での会話が不自由でない、重篤な精神疾患を持たない)を満たすものとした。: (2)データ収集方法及び内容: データ収集方法はインタビューガイドを用いた半構成的面接で、WVGによるサービスの感想、問題点、要望を問う内容とした。面接による対象者の負担を軽減するため、2)WVGの変化、に関する面接と同時に行なわれた。面接はテープ録音され、逐語録が作成された。: (3)データ収集場所: 場所は、プログラム介入村であるニャウンザ村及びチャオプー村で行った。: (4)データ分析: データは質的帰納的に分析した。①逐語録として集積したインタビューデータを、「WVGメンバーおよびWVGの活動に対する思い」に関する語りの内容を一つの記録単位とした。②単位における意味的特性を推論し、文脈的に同義と判断できるものを文脈的表象として集積した。③類似した文脈的表象を整理して説明概念を作成した。④説明概念をカテゴリとしてまとめ、WVGの活動への住民の満足を説明できるものとした。 : なお、データ収集期間は2007年2月から7月で、すべてのデータは、訓練を受けたミャンマー人の研究協力者がミャンマー語で収集した。面接記録は、すべて日本語能力検定2級以上のミャンマー人翻訳者が日本語に翻訳した。: 3.倫理的配慮: 本研究における倫理的配慮は、無害の原則、自由意志での参加、匿名性の保持、途中辞退の自由、プライバシーの保護、個人情報守秘の厳守、成果発表時の個人情報の保護など倫理原則に則って行なわれた。また、本研究は、研究計画書の段階で聖路加看護大学研究科倫理審査委員会の承認(承認番号:06-072)及びミャンマー政府の承認を得て実施した。: : Ⅲ.結果: 1.住民女性の保健に関する知識・意識: 1)対象の基本的特性: ニャウンザ村50名とコントロールのI村50名、チャオプー村50名とコントロールのS村38名の計188名の女性に面接を行った。S村は、対象女性の全数が38名だった。職業は、ニャウンザ村の半数以上が縫製業であったが、他3村は半数以上が農業に従事していた。健康資源として、ニャウンザ村のコントロールであるI村の助産師の背景特性(就業年数15年で家族と定住)が、他3村(就業年数3年以下で独身)に比し特徴的であった。以下、ニャウンザ村とコントロールI村を街近群、チャオプー村とコントロールS村を街遠群として結果を述べる。出産歴は、街遠群で介入村がコントロール村より平均初産年齢が若く(z=-2.56, p=.01)、平均出産回数(z=-2.05, p=.002)が多かった。その他の基本的特性は介入村とコントロール村で差は認められなかった。: 2)面接結果: (1)妊娠・出産ケアの促進: 妊娠中少なくとも1回は妊婦健診を受診した女性の比率は、街近群はコントロール村が高く(χ2=15.17, p=.000)、街遠群は介入村が高かった(χ2=24.43, p=.000)。: 妊娠時、破傷風の予防接種を2回以上受けた女性の比率は、街近群はコントロール村が高く(χ2=13.71, p=.000)、街遠群は差が認められなかった(χ2=.91, p=.38)。: 訓練を受けた技能者(Skilled Birth Attendant, 以下SBAとする)と出産した女性の比率は、街近群ではコントロール村が高く(χ2=29.68, p=.000)、街遠群は差が認められなかった(χ2=2.98, p=.08)。: (2)周産期各期の危険症状の早期発見: 周産期の危険症状の知識は、介入村がコントロール村よりも高かった。妊娠期、出産期、産褥期、新生児期すべてにおいて、街近群[{妊娠期(z=-2.76, p=.006)}、{出産期 (z=-4.52, p=.000)}、{産褥期 (z=-5.49, p=.000)}、{新生児期 (z=-3.48, p=.001)}]も、街遠群[{妊娠期(z=-7.25, p=.000)}、{出産期(z=-6.82, p=.000)}、{産褥期(z=-7.03, p=.000)}、{新生児期(z=-7.06, p=.000)}]も介入村の方が知っている知識の平均値が高かった。: (3)家族計画基金の運営: 近代避妊法の知識は、介入村がコントロール村より高かった{街近群(z=-4.25, p=.000)、街遠群(z=-7.48, p=.000)}。 : しかし、「避妊法利用者」および「最後の妊娠が望まない妊娠」だった比率は、介入村とコントロール村で差は認められなかった[{「避妊法利用者」:街近群(χ2=.438, p=.508)、街遠群(χ2=2.30, p=.13)}、{「望まない妊娠」:街近群(χ2=1.51, p=.37)、街遠群(χ2=2.55, p=.20)}]。: (4)負傷者の手当: 説明可能な応急処置法を回答する女性の比率は、「切傷」、「火傷」、「犬の咬傷」のいずれも介入村がコントロール村に比べて高かった [{「切傷」:街近群(χ2=53.91, p=.000) 、街遠群(χ2=42.90, p=.000)}、{「火傷」:街近群(χ2=9.19, p=.006)、街遠群(χ2=35.20, p=.000)}、{「犬の咬傷」:街近群(χ2=33.43, p=.000)、街遠群(χ2=26.13, p=.000)}]。: (5)保健衛生教育(5歳未満の子どもへの疾病対処法、マラリア予防、水と衛生): 過去2週間で発熱を伴う病気を発症した患児の比率は、街近群はコントロール村が高く(χ2=8.39, p=.004)、街遠群は差が認められなかった(χ2=4.22, p=.066)。発症中に受診行動を起こした比率は、街近群でコントロール村が介入村より高かった(χ2=5.29, p=.039)。: マラリア予防において、面接前夜に蚊帳で就寝した子どもの比率は、街遠群はコントロール村が高く(χ2=15.56, p=.000)、街近群は差が認められなかった(χ2=.38, p=.538)。蚊帳を使用しない理由は、蚊帳の利用者が50%以下だった街遠群の介入村は、対象者の83%が経済的理由を挙げた。マラリア予防法の知識(8項目)は、街近群(z=-6.25, p=.000)・街遠群(z=-7.65, p=.000)のいずれも介入村が高かった。: 水と衛生について、3歳未満の子どもの便の処理法は、街遠群の介入村は適切な処理を回答した女性の比率が高かった(χ2=10.11, p=.002)。街近群は差が認められなかった(χ2=3.407,p=.107)。: 3)介入村における第一次基礎調査とOutcome評価の比較: 介入村における妊娠・出産に関わる保健行動について、2003年に実施した第一次基礎調査と比較した結果、破傷風の予防接種(ニャウンザ56.4%増・チャオプー44.0%増、以下同順の表記)、SBAとの出産(19.3%増・18.6%増)、そして避妊法利用者(24.6%増・18.4%増)と、各比率が増加していた。: 2.WVGの変化: WVG22名、プログラム関係者8名、WVGの家族19名、裨益村民23名の計74名に面接を行った。: WVGの変化を分析した結果、28のサブカテゴリと10のカテゴリが抽出された。WVGの変化は、何もわからない状態からWVGへの参加を契機とした、【日常に活用可能な知識の獲得による行動の変化】を核とする、【知識の獲得から派生した意識の広がり】へと発展していた。変化の過程においては、【村落社会の機能活用】により変化をより合理的に推し進めていた。この変化の過程に直接影響を与えたのは、【家族の支援】と【カネの運用】、そして【モノの存在】であった。これらの変化を支える基盤は、WVGの【参加への動機付け】と【宗教と文化に基づく思想】であった。さらに変化の副次的効果として、【地域が醸し出す感謝の念】という地域の変化と【基礎保健職員との連携】という保健専門職の変化が現れていた。: 3.住民の満足: 対象者は関係者が8名、住民が25名で計33名であった。: 対象者が認知するWVGのサービスは全11項目だった。半数以上の対象者が認知するサービスは、ニャウンザ・チャオプー村ともに、家族計画基金貸与、負傷者の応急手当、保健衛生教育の3項目であった。: WVGの活動への思いを分析した結果、【活動への感謝】の1カテゴリが抽出された。一方、WVGの課題として、【薬剤の取り扱い】、【活動資金創出事業への注文】の2カテゴリが抽出された。WVGへの今後の期待としては、【薬剤の充実】、【活動の維持】、【さらなる活動の拡大】、【健康は生活】の4カテゴリが抽出された。: : Ⅳ.考察: 1.女性保健ボランティア育成プログラムの成果: 周産期の異常症状や避妊法の知識、負傷時の応急手当や保健衛生の知識の獲得及び意識の向上は、プログラム介入村の方が優れていた。WVG育成から足掛け4年を経ているが、初期段階に得た知識が実践され、生きた知識として活用されていることがわかった。介入村に限っては、プログラム開始時の4年前よりも妊娠中の予防接種率およびSBAの出産立会い率も増加していたが、横断調査からは、長年村に居住し、住民に信頼され適時受診可能で支払いも猶予する助産師のいた特定コントロール村(I村)に好成績であるという特徴があった。: この結果は、途上国農村部の母子保健環境改善に2点の示唆を与えている。: 1点目は、同じ地域の住民が公式・非公式含めた機会を通じ、母子保健や健康に関する情報や簡単な処置を提供し続けることで、住民一人ひとりの知識や意識の量が格段に高まり、それが持続することである。女性が能力を持つことは、エンパワメントされコミュニティそのものを活性化することにつながっている。長期的な地域の保健環境向上にヘルスボランティア活用の利点があるといえるだろう。: 2点目は、母子保健指標の改善には良質の専門家―ここでの良質とは、相応しい教育を受け、利用しやすく地域住民からの信頼が厚いという要素であるが―、その存在が不可欠ということである。ミレニアム開発目標のうち「妊産婦の死亡率を4分の1に削減する 」の指標には、「熟練介助者の立会いによる出産を増やす」ことが含まれる。途上国での医療・保健人材不足が深刻化する中、単に存在するだけではなく専門家の質の保証がないと指標の改善には貢献しない可能性を見出すことができる。経済的・人的資源に制限の在る中、地域で利用可能な資源と当事者のニーズに応じ、テーラーメイドにデザインを描くことが、ひいては途上国の地域母子保健向上の近道となるであろう。: 2.女性保健ボランティア育成プログラムによるWVGの変化: すべてのWVGが自身の変化として真っ先に「知識を得た」と語り、それまで知らなかったことを知ることができたことが変化の根源であった。WVGらは、まず外部者との対話を重ねる中で、これまで知る機会のなかった健康に関する知識を獲得するという変化を経験していた。その後、獲得した知識を他者に伝えることで、個人特性や地域における人間関係の改善といった意識の広がりが現れていた。多くのWVGメンバーらは「村人の健康を支援する」という目標をメンバー間、プログラム関係者、そして外部者らといった他者と分かち持つ機会を得たことが【日常に活用可能な知識の獲得による行動の変化】を核とする、【知識の獲得から派生した意識の広がり】へと発展していた。: 3.女性保健ボランティア育成プログラムの展望: WVGの活動に対する住民の満足を分析した結果、今後WVGがコミュニティ内で薬剤供給に果たす役割が、プログラムの持続発展性に影響を与えることが示唆された。: Ⅴ.結論: ミャンマー農村部において母子保健向上をめざす女性保健ボランティア育成プログラムの評価を行った。Lay expertとしてコミュニティにある女性たちの育成は、プログラム実施から4年後においても消失することなく活用され、周産期、避妊法、応急手当の知識や衛生意識の向上などコミュニティに好ましい変化をもたらしていた。: また、プログラムはWVGに、何もわからない状態からWVGプログラムへの参加を契機とした、【日常に活用可能な知識の獲得による行動の変化】を核とする、【知識の獲得から派生した意識の広がり】という変化をもたらしていた。: プログラムの展望として、今後WVGがコミュニティ内で薬剤供給に果たす役割が、プログラムの持続発展性に影響を与えることが示唆された。 | |||||||||||
学位名 | ||||||||||||
学位名 | 博士(看護学) | |||||||||||
学位授与機関 | ||||||||||||
学位授与機関名 | 聖路加看護大学 | |||||||||||
学位授与年度 | ||||||||||||
内容記述 | 2007 | |||||||||||
学位授与年月日 | ||||||||||||
学位授与年月日 | 2008-03 | |||||||||||
学位授与番号 | ||||||||||||
学位授与番号 | 32633甲第55号 |